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  3. 第3作 釣りバカ日誌3
釣りバカ日誌 3

第3作 1990年12月22日
釣りバカ日誌3

 終戦の年に一之助が赴任していた思い出の地、上伊豆町・星ヶ浦(架空の土地)で釣りバカコンビは、かつて一之助と訳ありだった女性の娘・雪子(五月みどり)と釣り船を共にする。カラオケ教室の先生をしている雪子は、美しい星ヶ浦を愛し、建設会社によるリゾート開発の反対運動に参加している。一方、伝助とみち子さんは幸せな毎日を過ごしているが、唯一の悩みは“子宝に恵まれない”ことだった・・・
 大人のお色気あふれる五月みどりをゲストに迎えた第3作。スーさんに隠し子疑惑? 終戦間際、スーさんの淡いロマンスの想い出。さらに、ハマちゃんが雪子をスーさんの“落としだね”と勘違いした事から、事態はあらぬ方向へと。さらに、鈴木建設リゾート開発に反対する雪子と、会社の仕事の間で苦悩するスーさんの男の純情が描かれる。また“赤ちゃん”を待望するハマちゃん夫婦を、実の父親の如く心配するスーさん。ハマちゃんとみち子さん、そしてスーさんとの親子のような関係は、“釣りバカ”世界をアットホームなものにしている。

ゲスト
  • 五月みどり
  • 花澤徳衛
ロケ地
  • 静岡県 賀茂郡・西伊豆
スタッフ
  • 監督:栗山富夫
  • 脚本:山田洋次、堀本卓
  • 原作:作/やまさき十三 画/北見けんいち
  • 撮影:安田浩助
  • 音楽:中西俊博
  • 美術:重田重盛

ゲスト

雪子

(五月みどり)

星ヶ浦で、釣りバカコンビが出会う、地元の女性。その面差しを見た一之助は、終戦の頃、この町で出会った小学校の女教師を想い出す。雪子は一之助を瞼の父と思い続けていた。かつては歌手を目指したこともあり、カラオケ教室の先生をしている。「涙の連絡船」を披露するシーンもある。

松造

(花澤徳衛)

星ヶ浦の釣り船の船頭。「ワサビを食い過ぎちゃったような顔をしているけど、根は優しい」とは伝助の言葉。雪子を同船させて欲しいと、伝助と一之助に頼む。小さい型の魚は「キャッチ・アンド・リリース」するものと、雪子に教えるエコロジストでもある。

ハマちゃん、スーさん

ハマちゃん
スーさん

釣り船に高級ワイン「ロマネコンティ」を持ち込むセレブなスーさんは、高級道具を揃えているが、仕掛けなど面倒なことはハマちゃん頼み。

鈴木建設

鈴木建設

本作より加藤武の秋山専務が登場。第一作では秋山専務を演じた前田武彦が堀田常務となり、これでシリーズ中期を支える鈴木建設役員室の顔が揃う。社長の顔色を伺う無能な役員たちが右往左往する様は、会社組織の縮図として楽しめる。営業三課OL・香織は毎回違う女優が演じているが、今回は「ちびまる子ちゃん」の声優・TARAKOが演じている。

浜崎家

浜崎家

出勤前、浜ちゃんは、今日一日会社を休んで「みち子さんの顔を見てることにした」と、家事をしているみち子さんをみつめていたいと、無茶な事を言う。結局、みち子さんは自分の写真をハマちゃんに持たせて、見送る。こんな相思相愛の二人なのに、なかなか赤ちゃんが出来ないのが、二人の最大の悩み。

恋愛事件簿

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事件簿

星ヶ浦で出会った雪子は、スーさんがかつて好意を寄せていた妙子の娘だった。終戦の年、スーさんが星ヶ浦に駐屯していたときの想いが蘇るスーさん。雪子もスーさんの名を母から聞いていたという。ところが、雪子が参加している、リゾート開発反対運動の元凶が鈴木建設だと知ったスーさんは、苦悩する。

あのひとシリーズ

  • 前原運転手
  • 太田八郎
  • 佐々木課長
  • ハマちゃん宴会芸

前原運転手

オペラに夢中の社長夫人・久江が、スーさんに「今日はオペラに行くので、夜は外で済ませて欲しい」と勝手なことを言うのを聞いた前原運転手。同情を禁じ得ないような表情をする。また、ある夜、みち子さんからスーさんへの「遅くなっても来て欲しい」という伝言を取り次ぎ、妄想をたくましくする。

釣果

  • イシダイ
  • ヒラメ

魚かいせつ

東京湾で釣り勝負をするハマちゃんとスーさん、どちらもスズキ目・イシダイ科の石鯛を狙うが、果たして勝負の行方は? そして星ヶ浦で、雪子が釣り上げるのは、カレイ目・ヒラメ科のヒラメ。せっかちなスーさんにハマちゃんは「ヒラメ四十」と、当たりが来てから40数えるのだと、その心得を指南する。

ロケーション

静岡県

ロケ地解説

スーさんが終戦の年に赴任していた星ヶ浦は、伊豆半島西岸に位置する静岡県西伊豆町で撮影された。仁科川、宇久須川の河口付近に、小さな町があり、その河口にある海水浴場は、古くからの観光地。風光明媚な堂ヶ島など、観光名所も多く、釣りのスポットとしても有名。

当時の世相

平成2年の
できごと

3月 ミハイル・ゴルバチョフがソ連初代大統領就任。
4月 大阪で花博開催。
6月 紀宮文仁親王、結婚、秋篠宮家創設。
8月 イラク、クウェート侵攻。
11月 今上天皇即位の礼。
*この年、バブル崩壊はじまる。

データ

公開日 1990年12月22日
上映時間 96分/シネマスコープ/モノラル
同時上映 『男はつらいよ 寅次郎の休日』
スタッフ 監督:栗山富夫
製作:内藤 誠
プロデューサー:瀬島光雄、中川滋弘
原作:作/やまさき十三 画/北見けんいち 小学館「ビッグコミックオリジナル」連載
脚本:山田洋次、堀本 卓
撮影:安田浩助
美術:重田重盛
音楽:中西俊博
照明:粟木原毅
録音:高橋和久
編集:鶴田益一
スチール:赤井溥旦
企画協力:日本映像(株)
協力: 西伊豆町、西伊豆観光協会、城ヶ島漁業共同組合
キャスト 西田敏行 (浜崎伝助)
石田えり (浜崎みち子)
谷 啓 (営業三課・佐々木課長)
戸川 純 (営業三課・恵)
TARAKO (営業三課・香織)
加藤 武 (秋山専務)
前田武彦 (堀田常務)
三谷 昇 (内野部長)
笹野高史 (前原運転手)
園田裕久 (草森秘書)
丹野由之 (営業三課・笹原)
佐々木勝彦 (片山常務)
花澤徳衛 (松造)
丹阿弥谷津子 (鈴木久江)
五月みどり (雪子)
三國連太郎 (鈴木一之助)